プロ野球選手の清宮幸太郎選手が限局性腹膜炎と診断され緊急入院しました。
いったい限局性腹膜炎とはどんなもので、どのような原因、治療法、予防法があるのかまとめました。
限局性腹膜炎とは?
限局性腹膜炎は、
- 限局性(げんきょくせい)
- 腹膜炎(ふくまくえん)
の2つの言葉に別れます。
限局性とは、「範囲が狭く、一部だけに限られている」という意味です。
(逆に「範囲が広く、全体に広がっている」場合は汎発性(はんぱつせい)といます。)
腹膜炎は更に腹膜と炎にわかれ、体の「腹膜」という場所が「炎症」を起こしているという意味です。
腹膜は、お腹の内側にある膜で、臓器を守ったり、色々な働きを持ちます。
この場所にばい菌が感染するなどして炎症が起った状態が腹膜炎です。
限局性腹膜炎をまとめると、「腹膜の一部が炎症を起こしている状態」ということになります。
症状は?
キーワードとなるのは「腹痛」です。
病気の進行状況により急激な痛みが出る場合や、痛みが出たり治まったりする症状を繰り返す場合があるようです。
原因は?
腹膜炎が起る原因は大きく2つに分けられます。
腹膜自体が炎症を起こす
お腹の中は基本的に無菌状態(ばい菌が住んでいない状態)なのですが、何らかの原因でお腹の中にばい菌が入ってしまうと、ばい菌が腹膜にくっついて悪さをし、炎症が起きます。
本来菌がいないはずの場所に、菌が入り込んでしまう一番大きな原因は、消化管(胃、十二指腸、小腸や大腸)に穴が空いてしまうことです。
(清宮選手のように若くて健康な成人男性でも、ストレスによって消化管に負担がかかり、その結果消化管に穴が空いてしまう場合もあるそうです。)
その穴から、胃の中の消化液などに混じって、ばい菌がお腹の中に入り込んでしまうのです。
腹膜の近くの臓器が炎症を起こしている
腹膜は、お腹のなかの臓器のすぐそばにあります。
ですから近くにいる臓器が炎症を起こすと、その炎症が腹膜まで、やってきてしまうことがあるのです。
虫垂炎や、膵炎が原因となることもあります。
治療は?
腹膜炎の一番の原因は、「消化管から空いた穴から、菌が入ってしまう」ことです。
ですから、治療方針としては
- 「消化管の負担を減らし、自然に穴がふさがるよう促す」
- 「すでに入ってしまったばい菌をやつける&これ以上ばい菌に感染しないようにする」
この2つを心がけます。
症状が軽いとき
症状が軽いときは、
- 絶食・・・消化管の負担を減らす
- 抗生剤を使う・・・ばい菌をやつける
を行います。
絶食をすると、どうしても必要な栄養が体に行き渡らないので、血管から点滴で栄養を入れます。
症状が重いとき
症状が重いときは、体の自己回復力だけでは消化管の穴をふさぐことはできません。
ですから手術で穴をふさぎます。
それと同時に、お腹にたまってしまった膿を出す作業(ドレナージ)も行います。
以上、腹膜炎についてでした。
清宮幸太郎選手が腹膜炎で入院したのはこれが初めてではないとのこと。
清宮選手のようなスター選手であれば、腹膜炎の原因の一つといわれるストレスの大きさは、計り知れません。
ここでしっかり静養して、また元気に活躍していただくことを願うばかりです。