2018/1/31NHK放送「食物アレルギーの新常識」についてまとめました!
意外な原因とその予防・治療法もまとめられています!
しっかりポイントをチェックして、食物アレルギーからあなたと、あなたの大切な人を守るために役立ててくださいね!
目次
食物アレルギーの原因
食物アレルギーになるのは、
- 原因食物を「食べすぎから」
と思いますよね?
もちろん、それも間違ってはいないません。
でも、今回のガッテン!では、それ以上に
- 原因物質に「触りすぎたから」
ということが、食物アレルギーの原因だよ!と教えてくれました。
ちょっと信じがたいかもしれませんが、一体どういうことなのか、みてみましょう。
食物アレルギーがおこるメカニズム
そもそも、食物アレルギーが起るとき、体内ではなにが起こっているのでしょうか?
そもそも体内には、異物の侵入に目を光らせる警察官のような役割をする細胞が存在します。
それがT細胞です。
このT細胞が異物を発見すると、体内に警報を発します。
そして、異物をやつける部下(抗体)をたくさん養成します。
そして、2回目に同じ異物が入ってくると、部下たちが異物をけちょんけちょんにやつけてしまいます。
このとき、部下が”やり過ぎ”てしまうので、結果として、体に発疹やかゆみが現れ、重篤な場合は意識を失い危険な状態に陥ってしまうこともあるのです。
「食べすぎ」より、「触りすぎ」が注目される理由
では、なぜ口から異物が入るよりも、皮膚から入る方が、食物アレルギーにおいて、より重要視されるのでしょうか?
その原因が、皮膚に存在している樹状細胞です。
皮膚は、体の中で、一番最初に外部からの異物に触れる場所です。
ですから、異物が外部から体内に入ってくるのを防ぐために強固なバリア機能をもっているのです。
そのバリア機能として重要な役割を果たすのが樹状細胞です。
樹状細胞は、いわば見張り役で、異物が来ないかパトロールしています。
そしてパトロール中に異物を発見すると、手を伸ばして異物を捕まえます。
そして、捕まえた異物を、司令塔であるT細胞に見せて、こんな異物があるよ!と積極的に教えるので、食物アレルギーが起りやすくなるのです。
食物アレルギーになるひと、ならないひとの違いは?
しかし、「食物を触る」という行為は、日常生活でだれもが行っていることです。
そのなかでも、食物アレルギーに「なる人」「ならない人」がいるのはなぜでしょうか?
実は、その理由の1つが
手荒れ(手の炎症)なんです!
なんだかすっごく意外ですよね?
でも、手の荒れた箇所、つまり手の炎症を起こした部位というのは、危険地帯ということ。
それを察知した樹状細胞が重点的にパトロールするんです。
パトロールが強化された結果、手に触れた食物が、異物として、司令塔のT細胞に報告されやすくなる、つまり、食物アレルギーになりやすくなるということなのです。
実際番組内で紹介されていた、にんじんアレルギーの主婦の方は、アレルギーを発症する前から手荒れに悩んでいました。
発症後、手を医師の指導のもとしっかりとケアした結果、手荒れ(手の炎症)は改善し、にんじんに対するアレルギー反応の数値も下がったのです。
食物アレルギーの予防法
番組で大きく取り上げていた予防法は以下の2つです。
- 普段から手をしっかり保湿し、手荒れ(手の炎症)を改善すること
- きゅうりや蜂蜜パックのように、自己流の美容法は避ける
- アレルギーの原因物質を避ける(後述)
1.は、「食物アレルギーになるひと、ならないひとの違いは?」の項目を読んでいただければわかるとおもいます。
では2.はいったいどういうことなのでしょう?
番組内では、石けんに蜂蜜を混ぜて体を洗っていた女性が、蜂蜜アレルギーになった例も紹介されていました。
このように、食べ物を自己流にアレンジしてつかうと、アレルギーを発症してしまう可能性が高くなります。
ですので、もし保湿や美容に使うのであれば、厳しい基準をクリアしている医薬品や、医薬部外品、化粧品などを使うことをオススメします。
ただ、アレルギーには体質や、体調もありますから、これらの製品でも、あなたに絶対アレルギーが起こることはないと保証することはできません。
しかし、そのようなことが起きないように試験をしているのは確かですし、常に情報収集も行っているので、よりアレルギーの起きにくいよう工夫されていることは確かです。
食物アレルギーの落とし穴~意外なものがアレルギーの原因に~
食物アレルギーの予防法で
3.アレルギーの原因物質を避ける(後述)
とかきました。
しかし、なかには、一見「え!これ全然関係ないじゃん!」と思える物に触ったせいで、食べ物のアレルギーになってしまうこともあるんです。
例えば….
- 医療従事者:ラテックス(天然ゴム)の手袋に触る
→バナナ・クリ・アボガドへアレルギーがでる! - 花粉症の人:花粉(シラカンバ・ハンノキ)に触る
→りんご・キウイ・桃へアレルギーがでる! - サーファー:クラゲに触る→納豆へアレルギーが出る※1
- ペットを買っている人:ペットにくっついたマダニに刺される
→肉へアレルギー※2
などです!!
実は、AとBには共通のアレルギー物質が含まれているそう。
そのせいで、「え!これ全然関係ないじゃん!」と思えるものに触ったせいで食物アレルギーが出てしまうことがあるそうです。
※1 クラゲと納豆のネバネバのなかに、共通のアレルギー物質あり
※2 マダニの唾液の中に、肉と共通のアレルギー物質あり
食物アレルギーの治療法
食物アレルギーの治療法の考え方は2つあります。
- アレルギーの原因物質を徹底的に避ける方法
- アレルギーの原因物質を安全量で食べて、少しずつ量を増やす方法(経口負荷試験)
どちらも成果ををあげている方法です。
今回は、経口負荷試験について詳しくみてみましょう。
経口負荷試験
経口負荷試験とは、アレルギーのある食べ物を安全量で食べて、少しずつ食べる量を増やして、徐々にその食べ物になれていく方法です。ここ10年で発展してきた治療法だそうです。
ただし、少ない量とはいえ、アレルギーのある食べ物を食べるわけですから、食べる量を増やすときは、医療機関で、医師や看護師の指導のもと慎重に行われます。
もし、アレルギーが出てしまったときは、食べるのをやめて、薬を飲んだりして対処します。
そして、普段の生活で気をつけることのアドバイスも行います。
メリット
- アレルギーのある食べ物を避ければ避けるほど、食物アレルギーは治りにくいという最近の研究結果があるそうで、その点から見ると、少しずつ食べ物を食べることで、早くアレルギーが治る可能性があります。
デメリット
- 食物負荷試験では、少量とはいえアレルギーのある食べ物を食べるわけですから、アレルギーが起こる場合もあります。もちろん適切に対処され、大事に至らないことがほとんですが、一部重症になってしまった患者さんもいらっしゃいます。
現在、重症化した原因を究明し、再発防止に努めたいとのことです。
このようなリスクはありますが、実際経口負荷試験のおかげで、食べられるものが増えるお子さんも少なくはないようです。
治療を決断するときは、しっかりと医療機関と話し合い、メリット・デメリットや対処法を理解しておきたいですね。