こんにちは。薬剤師のぽぽです。

 

最近、遠隔服薬指導というと言う言葉が聞かれるようになりました。

今までの服薬指導では、患者さんと薬剤師が対面でお話しするのが原則でした。

しかし、遠隔服薬指導では「対面」である必要がなくなります。

自宅にいる患者さんが、薬局にいる薬剤師とパソコンやスマホなどを使って服薬指導を受けられるのです。

 

「目や足が不自由で薬局まで行くのが辛い。」

とおっしゃる高齢の患者さんが多いので、需要をとらえたかなり画期的な仕組みですね。

 

しかしこの、遠隔服薬指導今のところいくつかの制限がかけられており、誰もが受けられるわけではありません。

では、その条件とはどんなもので、誰が、いつごろから利用できるようになるのかまとめました。

遠隔服薬指導とは?

厚生労働省の発表の資料では、遠隔服薬指導は次の様に定義されています。

特区における遠隔服薬指導の概要
○ 国家戦略特区法の一部を改正する法律(平成 28 年法律第 55 号)に基づき、薬剤師による対面での服薬指導義務の特例として、国家戦略特区内で実証的に、①離島、へき地に居住する者に対し、②遠隔診療が行われ、③対面での服薬指導ができない場合に限り、④テレビ電話による服薬指導(いわゆる遠隔服薬指導)が可能とされた。

出典:国家戦略特区におけるいわゆる遠隔服薬指導への対応について(案)

 

つまり、国家戦略特区という地域のなかで、実験的に、

  1. 離島、へき地に住んでいる人を対象に
  2. 医師との診療もテレビ電話やパソコン機器を通して行っていて
  3. 薬剤師との対面での服薬指導(薬の説明を受けることと)と受け取りが難しい場合
  4. テレビ電話(実際はパソコンやスマホ)を通して服薬指導と、配送による自宅での薬の受け取り

をおこなう仕組みなのです。

診察から薬の受け取りまで、すべて自宅で行うことができます。

だれが利用できるの?

大変便利なシステムではありますが、いきなり全国で運営すると医療者側の負担が大変なことになります。

ですので初めは、限られた地域(国家戦略特区)の離島、僻地に住んでいる人が対象です。

 

特区として指定されている区域は、10区域(平成30年11月現在)です。

出典:http://www.kantei.go.jp/jp/headline/kokkasenryaku_tokku2013.html#q02

 

ただし、国家戦略特区のなかでもさらに許可を受けた地域でないと運営はできません。

今現在(2019.2.6)、愛知県と福岡市、養父市の一部地域で遠隔服薬指導の計画書が発表されています。

いつから利用できるの?

早ければ2020年の4月からと言われています。

ここから検証を初め、徐々に対象地域を拡大することが予想されます。

薬の郵送費は?

薬を薬局から、ご自宅に届けるときに一体郵送費は薬局と患者さん、どちらがどれだけ負担することになるのでしょうか?

まだ明確な基準は定められていませんが、同じように薬局からご自宅へ薬を届ける在宅医療を考えてみましょう。

 

在宅医療では1回の訪問につき、患者さんの自己負担で500円程度(1割負担の場合)の訪問費が発生しています。

薬剤師が、訪問するときに発生する往復時間と滞在時間、輸送にかかる交通費をそこでまかなっています。

一方で遠隔服薬指導をおこなえば、薬剤師以外(薬局の他のスタッフ・運送業者)が運んでもいいことになるので、コストの面ではさらにやすくなる可能性があります。

遠隔服薬指導を行える薬局は限られています

薬局は全国で5万件以上といわれていますが、そのすべての薬局が遠隔服薬指導を行えるわけではありません。

事業者登録を行った薬局のみが遠隔服薬指導を行うことができます。

今のところアインや日本調剤と言った大手チェーン薬局が対象のようです。

まとめ

オンラインで服薬指導を受けられると、かなり便利になります。

今後どのような展望になるのか、情報をまとめていきたいと思います。

 

※記事内に誤りやお気づきの点がありましたらご指摘いただければ幸いです。

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