「”三単現のS”って何だと思う?」
と生徒さんに聞いみると、意外に
「聞いたことはあるけれど答えられない」
「聞いたことすらない」
と言う声が多かったです。
今回は三単現のsが全く分からなくても、この記事を読んだだけでマスターできるよう、徹底解説しちゃいます♪
目次
三単現を学ぶ前に:語順を知ろう
これから三単現の説明をしていくわけですが、より理解を深めるために、英語の語順を学ぶことが大切です。
英語は単語が置かれる場所によって意味が固定されています。
左から順番に
「だれ・なにが/です・する/だれ・なにに/だれ・なにを/どこ/いつ」
となります。
例外はあるものの8割くらいの語順が、これで説明できます。
※これは、京都大学教授の田地野彰先生が推奨している方法です。
詳細を知りたい方は別記事のリンクをご参照ください。
三単現のSとは?
三単現のSとは、三単現があらわしている3つの条件がすべて満たされるとき、動詞(です・する)にSをつけるという英語のルールです。
例文) she plays tennis.(彼女はテニスをする。)
※動詞(です・する)にSをつけるという英語のルールと述べていますが、すべての動詞にSをつけるわけではありません。
厳密には、動詞が、一般動詞と言われる動詞だった場合は、Sをつけるというルールです。
一般動詞とbe動詞の違いについては【関連記事】図解付き!英語の疑問文の作り方(一般動詞とbe動詞の違い)
で書いているので、余裕があれば、みてみてくださいね。
三単現があらわしている3つの条件とは?
三単現は独立した、3つの言葉の頭文字をとったものです。
それぞれ、
- 三・・・3人称
- 単・・・単数形
- 現・・・現在形
をあらわしています。
つまり、”どこか”が3人称・単数形・現在形だと、動詞(です・する)にSがつくと言うルールです。
この、”どこか”とは、
ズバリ「だれ・なにが/です・する/いつ」
この3カ所です。
この3カ所に注目しながら、三単現を構成している。
- 3人称
- 単数形
- 現在形
を見てみましょう。
3人称とは?
3人称に関係するのはだれ・なにがの部分です。
実は、だれ・なにがの部分は、
- 1人称
- 2人称
- 3人称
の3つに分類することができます。
1人称
1人称には
- 私は(I)
- 私たちは(We)
が当てはまります。
世界中に人間が1人しかいないとき、その人が自分のことを言うときは、「私は~。」といいますよね?
世界に自分1人しかいないとき「私」がうまれるという意味で一人称と覚えてもいいでしょう。
2人称
2人称には、
- あなたは(you)
- あなたたちは(you)
が当てはまります。
世界に自分以外のもう1人が現れて、2人になったときに、「あなた」が生まれるという意味で、2人称と覚えてもいいでしょう。
3人称
3人称は、1人称でも2人称でないものすべてです。
- それは(it)
- それらは(they)
- 彼女は(she)
- 彼は(he)
- 彼らは(they)
などが当てはまります。
世界に私とあなたの2人以外の第三者が生まれると言う意味で三人称と覚えてもいいでしょう。
単数形とは?
単数でも、3人称と同じように、かかわってくるのは、だれ・なにがの部分です。
先ほどは、
だれ・なにが
に当てはまる言葉を、
1人称/2人称/3人称に分けて分類しました。
しかし実はだれ・なにがを他の分け方をすることもできるのです。
それが、
- 単数形
- 複数形
という分け方です。
もっと簡単に言うと、
- 1人(単数)
- 2人以上(複数)
という分け方です。
単数形(1人あるいは1つ)
単数形には、1人あるいは1つを表す言葉があてはまります。
- 私は(I)
- それは(it)
- 彼女は(she)
- 彼は(he)
などがそうです。
複数形(2人以上あるいは2つ以上)
2人(2つ)か、それ以上の人数(や物の数)を表す言葉です。
- 私たちは(we)
- あなたたちは(you)
- それらは(they)
- かれらは(they)
があてはまります。
現在形とは?
現在形にかかわってくるのは、です・するといつの2箇所です。
です・するは動詞と呼ばれる箇所で、動詞は、
- 今のことをあらわす・・・現在形(です・する)
- 昔のことをあらわす・・・過去形(だった・した)
- 未来のことをあらわす・・・未来形(~になるだろう・~するだろう)
のように、わかれます。
また、いつを表す言葉にも、
- 今のことをあらわす言葉・・・例)today(今日)
- 昔のことをあらわす・・・例)yesterday(昨日)
- 未来のことをあらわす・・・例)in the future(将来)
があり、ここからも文章がいつのことをいっているのかが判断できます。
ただし、いつを表す言葉はのっていない文章も多いので、あくまで補助的なものだと思っていてください。
三単現のSのまとめ
最後に三単現のSをまとめましょう。
三単現のSとは、
- 3人称・・・だれ・なにがの部分が、3人称である
- 単数形・・・だれ・なにがの部分が、単数(1人)である
- 現在・・・です・する(いつ)部分が現在(今のこと)
という条件がすべて満たされたとき、
動詞(です・する)の部分にSをつけると言う英語のルールです。
応用問題1:She read a book.
まとめの内容が理解できていると、次の問題も理解できるとおもいます。
例題)次の英文を和訳しなさい。
She read a book.
うっかり、
「彼女は本を読む。」と訳しませんでしたか?
実はこれは不正解です。
正しくは「彼女は本を読んだ。」が正解です。
この文章、よ~くみると、実は、三単現のSがついていないんです!
ということは、3つの条件のうち、どれかが満たされていないということです。
- 〇3人称・・・だれ・なにがの部分が、3人称である「彼女は」になっている
- 〇単数形・・・だれ・なにがの部分が、単数(1人)である「彼女は」になっている
この二つは条件クリアです。
と言うことは….
- ×現在・・・です・するの部分が実は現在形ではない!ということになります。
readは不規則動詞と言われるグループの動詞で、
現在形でも、過去形でも、readのままなのです!
だから、ぱっと見ただけでは、現在形の「読む」と勘違いしてしまいそうですが、よくよく考えると過去形の「読んだ」が正解だと分かりますね。
応用問題2:Who cares?
英語には「Who cares?」という慣用表現があります。
直訳では「だれが、気にするの?」という意味ですが、それをが転じて
「だれも(そんなことは)気にしないよ」という意味で使われます。
この文章よ~くみてもらうと、しっかり三単現のSがついていますよね?
どうしてか、説明できますか?
三単現のSがつくということは、3つの条件がすべて満たされているということです。
本当にそうなのか、1つずつ確認してみましょう。
- 〇3人称・・・だれ・なにがの部分が、3人称である「who」になっている
→1人称(私、私たち)と2人称(あなた、あなたたち)に分類できない物はすべて3人称扱いでしたね?なので「who」は立派な3人称です。
- 〇単数形・・・だれ・なにがの部分が、単数(1人)である「who」になっている
→whoは文法上、単数(1人)として扱います。これは覚えてもらうしかないです。
- 〇現在・・・です・するの部分が現在形
→「だれもそんなこと気にしないよ」という意味であることから、今回の文は現在形と言えます。
whoの疑問文については、【関連記事】whoの疑問文~doがつく/つかないときの違い【徹底解説】で詳しくまとめているので、ぜひそちらも読んでみてくださいね!
以上、三単現のSのまとめでした!
何度も読み直して、三単現のSをマスターしてくださいね!