あなたは、薬剤師国家試験の過去問、解いてみましたか?
それともこれから解き始めるところでしょうか?
そもそも、過去問を解くのって、なんだかいやぁ〜な感じがしませんか?
私が薬学生だったときは、それはもう、イヤでしたよ!
なんせ、全然解けませんから!(苦笑
「あれ?大学でこんなこと習ったっけ?今まで4年間勉強してきたはずなのに、なんで解けないんだろう…。」と落ち込んでしまうことはしょっちゅうでしたよ!
でも、もしあなたが
「過去問全然解けないし、まだ解くのは早いかな〜。」
「もうちょっと勉強して、自分の実力がついてから過去問を解こうかな〜。」
なーんて考えを持っているとしたら、私は「ちょっと待った!」と言いたいと思います。
なぜなら、私は順番が逆だと思うのです。
実力がついてから過去問を解くのではありません。
実力をつけるために過去問を解くのです!
つまり、実力なんて全くない時からガンガン過去問を解くのです!
むしろこの「解く」という表現がそもそも間違っているでしょう…。
過去問は解かない!カンニングせよ!!
過去問は解かないでください!
即、カンニングしてください!!
国試本番でそんなことやったら、即刻アウトですが、勉強中はカンニングありです!
むしろカンニングしてこそ、実力が付きます!
あなたもわたしも悲しいかな、1度勉強したことはすぐ忘れてしまいますよね?(もしあなたが、1度で暗記できる人だったらゴメンナサイ…)
だから、過去問を解いている時に、知識を搾り出そうとしても、悲しいことに出てこないのです。
なぜなら頭の中にある知識のストックが不十分だからです。
そもそもストックされてるか怪し知識を、一生懸命搾り出そうともがいても、頭痛がしたり、時間がすぎるだけで、正直ムダだと思いませんか?
そんなことに労力と時間を使うのはもったいない!
それならばさっさとカンニングしましょう!
そして正解をカンニングしたら、その内容を教材に書き込んでしまいましょう!
カンニングとは、すなわち正しい答えを見るということです。
知識のストックがないうちは、いっぱいカンニングをして、いっぱい正しい答えをみて、教材に書き込みましょう!そして同じ問題をどんどん繰り返して見るようにしましょう!
そうすると、不思議なことが起こります。
今までは、過去問は、あなたがいかに勉強ができない、ダメな奴かということをネチネチ言ってくるイヤな奴でした。
歌が下手なガキ大将や、それに媚びるお金持ちのおぼっちゃまのようなヤツなわけですね。
ところが新しくあなたが書き込みをした過去問は、未来からきた猫型ロボットのように、あなたの強い味方になってくれます。
「ほんとかよ」とツッコミを入れられたかもしれませんね。
次の章からは具体的な方法を詳しく説明しているので、本当か嘘か、ぜひ、ご自身で実践して確かめてみてくださいね。
参考書選び
薬剤師国家試験の過去問と一口にいっても、いろいろな出版社のものがありますよね?
一番有名なのは、おそらく薬ゼミが出している既出問題集でしょう。
その他にも、いくつか有名な参考書があります。
詳しくは、ネットや大学の参考書コーナーを見てもらえばと思います。
結論から言うと、自分に合えばどれでもOKだと思います。
ただ、超個人的には薬ゼミの既出問題集をオススメします。
私が薬ゼミの既出問題集を勧める理由
- 大手への信頼感
- 携帯サイズでラクラク持ち運び
薬ゼミといえば、薬剤師国家試験対策において、最大手の予備校です。
多くの薬学生が、薬ゼミの青本を使って国家試験対策を行うことになるでしょう。
その薬ゼミの既出問題集ならば、安心感もありますし、青本とのリンクもわかりやすいので使いやすいのではないでしょうか。
ほかの多くの過去問がA4サイズなのですが、薬ゼミの既出問題集は、A5サイズです。
持ち運びに非常に便利な大きさです。
また薬ゼミの既出問題集は、だいたい1ページあたり1問掲載されています。
また後ほど詳しく説明しますが、私のオススメする勉強法では、覚えた問題が載っているページは、どんどん取り除いてしまうので、その点1ページ1問だと非常に便利です。
薬ゼミの既出問題集「回数別」VS「領域別」
さて、ここまで私が推している薬ゼミの既出問題集ですが、実は2種類あります。
それは
- 「回数別」既出問題集
- 「領域別」既出問題集
です。
「回数別」とは・・・第102回薬剤師国家試験、第101回薬剤師国家試験のように第●●回ごとに、過去問をまとめた問題集です。
「領域別」とは・・・「物理」「化学」「生物」…のように、科目ごとに過去問をまとめ直したものです。
あなたの好きな方を選んでいただいてOKですが、またまた超個人的には「回数別」をオススメします。
「回数別」既出問題集をオススメする理由
- 過去問を本番通り体感できる
- 最新の問題集が発売されるまで待たなくていい
「回数別」の場合、過去問を、出題されたそのままの形で体感できます。
一方「領域別」の場合、(私自身「領域別」はちょっと目を通しただけなので、うろ覚えの知識でもうしわけありませんが…)どうやら、似たような問題は類題としてまとめられてしまうようです。
これはこれで効率的が良いです。
ただ、似たような問題がまとめられてしまう分、実際にどのように出題されるかわかりにくくなってしまいます。
同じような問題であっても、年度ごとに、どのように言い回しを変えて出題しているのか…。
そういったことが分かるのが、「回数別」の強みだと思います。
過去の、既出問題集の発売日を調べると、多少ばらつきはあるものの、だいたい試験のあった翌年の5月頃発売されているようです。
薬剤師国家試験はだいたい2月の末に行われるので、次の試験まで9ヶ月前後しかありません。
9ヶ月もあれば十分な気がするかもしれませんが、実際は、研究室での論文作成・就活などが重なるので、純粋に勉強に割ける時間は限られます。
それに、過去問は、最新も含めて6~10年分は解きたいので、それを考えると割とタイトなスケジュールになります。
そのような背景を踏まえて…。
もし、あなたが最新版の「領域別」既出問題集を買て勉強を始めようと思ったら、5月まで待たないといけないのです。
一方、「回数別」既出問題集はどうでしょう?
最新の過去問は、翌年の5月まで待たないといけません。
しかし、それ以前の過去問であれば、いつでも購入できます。
その日からすぐ勉強を始められるのです。
ただし、注意点もあります。
それは日本薬局方をはじめとした制度の改正が、数年おきに行われるということです。
また、科学の進歩によって、今までの知識が古くなってしまうこともあるのです。
そのため、問題の正誤が変わってしまう可能性があります。
ただし、物理・化学・生物などといった基礎の部分は、ほとんど変わることはないでしょう。
それに、制度が変わったり、科学の進歩によって教科書が書き変わると、それが国家試験でも出題される可能性が高くなります。
大学の教授や予備校の講師も、そのあたりを踏まえて、授業で強調して教えてくれると思いますので、そこをしっかり聞いておけば、対応できると思います。
過去問の勉強法
いよいよ、具体的に過去問をどう勉強するかを見てみましょう。
今回は、青本の「回数別」既出問題集を使っているという前提でお話しますが、それ以外の過去問でも、この方法は使えるので、あまり気にしなくてOKです。
- 過去問を解く
- ためらわず、解答を見る(カンニングする)
- 不正解の選択肢を、正しい文面に直す
- 過去問を1ページづつに切り離しましょう!
- 過去問を科目ごとにまとめる
- 過去問を繰り返し見る!
- 最初は過去問をただ見るだけ
- 暗記した記述や問は消す
- 暗記したページは取り除く
過去問を入手したら、早速過去問を”解いて”いきましょう!
ここで冒頭でも紹介したポイントを2つ紹介します…。
それは、自力で解こうとしないでくださいということです。
そうではなく、問題と選択肢に目を通したら、ためらわず、解答を見てください(=カンニングしてください)
これ、非常に重要です。
過去問を始めた段階では、おそらく、過去問はそんなに解けないと思います。
なので、正解を出そうと頑張っても時間の無駄になりかねません。
なにせ、まだ正解を導くために必要な知識のストックが不十分なのですから。
逆にいえば、そのためのチカラを身につけるために、過去問をはじめようとするわけですので、いきなり解答をみてしまことに、罪悪感とか、ためらいを感じなくてOKです。
解答をみたら、正解の選択肢に印をつけるのはもちろん、そのほかの誤りの選択肢も正解の文章に変えてしまいましょう!
こうすることで、一つの問題からたくさんのことを学べます。
本番で役立つのは、過去問の正誤を覚えることではありません。
そうではなく、どのくらい正しい知識を頭に詰め込めるかということなのです。
次は、一度、本の内容とは離れ、過去問を加工する作業に入ります。
これを聞いて、あなたはぎょっとしたかもしれませんね。
「過去問を切り離す!?どういうこと?もったいなくない?大胆だな!」みたいな(笑
私の個人的な思いなんですが、どうも日本人の多くは、本を分解することに抵抗を感じるような気がします。
本は大切にしなきゃみたいな意識が強く働くみたいです。
日本の本自体も、外国に比べてカバーとかにもすごく凝っていますしね。
その意識自体はとても素晴らしいと思うんです。
ただ、私としては、大切なのは、「過去問を綺麗な状態で使う」ことではなく、「過去問の内容を頭にインプットすること」だと思っています。
たしかに、1冊2000円程度の過去問をバラバラにするのは、抵抗があるかもしれません。
しかし考えてみてください。
ここでためらったばかりに、過去問のインプットがうまくいかなかったら。
それで万一不合格になってしまい、再度受験することになったとしたら…。
予備校に通い始めると100万円程度支払わなければなりません。
それに、薬剤師免許が取れなかったために、内定取り消しになったとしたら、社会人1年目で手にするはずだった200~400万程度の年収(勤務先によって差があるとは思いますが)も失うことになります。
数百万円から比べると、2000円くらい、どうってことないって思えてこないでしょうか?
この作業に抵抗を感じるか否か、面倒がらずにできるかが、私がブログ内で紹介する勉強法を取り入れられるかの境目だと思います。
大変だと思いますが、頑張ってみましょう!
さて、晴れて過去問を1ページごとに切り離すことができたら、次は、過去問を「物理」「化学」「生物」…といった科目別に並べる作業を行いましょう。
今後くり返し学習するうえでは、似たような内容が固まっている方が覚えやすいです。
(それなら別に最初から「領域別」既出問題集を使えばいいというツッコミがきそうですが…。それでもあえて「回数別」にこだわる理由は既に、前の方で話しているので、忘れてしまったら、もう一度読み返してみてくださいね!)
順番としては、最新の過去問から、順番に過去に遡るように重ねていきましょう。(↓下図参照)
まとめた過去問は、穴あけパンチで穴を開けて、リングや紐などで一つにまとめましょう。
次に過去問をくり返しみる作業に入ります。
よく、「国家試験の過去問はなんかい繰り返せばいいですか?」なんて質問を見かけます。
私がその質問に答えるとしたら
「何回なんて数えられるようでは足りない!数え切れないくらい繰り返してください」
という答えになります。
普通に過去問を解くならこれは無理です。
しかし、これから伝えるポイントを押さえれば、ちゃんと実現可能なことなので安心してくださいね^^
最初は、過去問の内容をただ「見るだけ」ということを心がけてください。
無理に理解しようとしなくて大丈夫です。
むしろ理解しようとして1ページに15分かけるくらいなら、15ページを1分でみるくらいの方が断然いいです。
最初は意味不明に思える内容も、何回かくり返し見るうちに馴染んできます。
そのうち「あ、またお会いしましたね」なんて思える問題も出てきます。
そうなったら、少しずつ内容も読んでみるようにしましょう。
くり返しみたり、読んだりする作業を繰り返すうちに、簡単な問題ならば自然と暗記できるようになります。
そうしたら、ペンや、濃い色の色鉛筆やマーカーなどでどんどん消していきましょう。
作業を繰り返すうちに、全部暗記してしまったページも出てくるはずです。
そうしたら、そのページはまるまる抜き取ってしまいましょう。
こうすることで、過去問の束はどんどんスリムになっていきます。
その結果勉強すればするほど、繰り返すことが楽になるのです。
以上で過去問の勉強法の解説はおしまいです。
なにか質問がありましたら、コメント欄から、お気軽に聞いてくださいね!