「過去問で勉強している学生より、参考書をつかって勉強している学生の方が合格(ウカ)りやすい」あなたは、こんな言葉を聞いたことがないですか?
私も学生時代、過去問VS参考書みたいな論争は何度か耳にしました。
私なりの結論を言わせていただくと、確かに
「過去問”だけ”(←ここ非常に重要)勉強していている学生には、薬剤師国家試験合格は難しい」
と思います。
目次
過去問”だけ”勉強していても、薬剤師国家試験合格は難しい
過去問は、過去問で、薬剤師国家試験対策において、非常に重要です!
過去問を解くことで、実力もつきます。
さらに国家試験特有の出題形式になれることもできるのです。
私の友達で、ほとんど、過去問は使わず、参考書を使って勉強している子がいました。
その子は、第101回目の国家試験をみたとき、緊張のあまり、テンパってしまい、最初の必須問題ですらあまり解けなかったそうです。
一方、過去問をやりこんでいた私は、「なんか、この問題過去問でみたことあるな~」と思いながら、全く緊張せず解きすすめることができました。
おかげで普段通りのチカラを出すことができました。
このように、過去問を解けば、ご利益があることがわかりますよね?
ただし、過去問も万能というわけではなく、当然欠点もあります。
それは、過去問は、あくまで、過去に出題された問題に過ぎないということです。
あなたが、実際に受ける国家試験では、過去問を勉強しただけでは、カバーしきれない問題がたくさん出題されるということです。
例えば物理を例に考えてみましょう。
国家試験で物理がだいたい何題出題されるかご存知ですか?
正解はたったの30問程度です。
青本の物理の参考書のページ数が500ページくらいですから、なんと、1ページあたり0.06問しか、出題されない計算になります。
出題者側から見ると、まだまだ、過去問に出題されていない問題はたくさんあります。
つまり、過去問”だけ”を勉強すると、それ以外の範囲で点数を取りこぼす可能性が大なのです!
※注意※過去問も参考書もどちらも大事です
ただ、誤解して欲しくないことが一点あります。
それは参考書と過去問、どっちかが大事というわけではないということです。
どっちも大事なんです。
つい切羽詰ってくると、より効率を求めて、参考書と過去問、どちらかにシフトしてしまいがちです。
しかし、参考書と過去問、どちらも利点と欠点があります。
それをよく、理解した上で、バランスよく勉強を両立させてほしいと思います。
参考書の内容を勉強して、覚えよう!
先ほど、国家試験の問題は、参考書1ページあたり約0.06問しか、出題されないとお話しました。
つまり、下手に勉強範囲を絞るよりも、できるだけ、参考書の多くの範囲を覚えたほうがいいことになります。
ただ、実際問題、あの分厚い参考書の内容を覚えるのはなかなか難しいですよね。
ここで、参考書を覚えるための、コツをお伝えしますので、ぜひ参考にしてみてください。
①参考書を作成した出版社の大学出張セミナーや外部セミナーに参加
参考書に書かれている内容を理解するのって、なかなか大変で面倒な作業ですし、時間もかかりますよね?
ですので、機会を見つけて、参考書を作成した出版社の大学出張セミナーや外部セミナー(青本であれば薬ゼミ主催のセミナー)に積極的に参加することをオススメします。
参考書の内容を理解するには、講師にポイントをおさえて解説てもらったほうが、ダンゼン効率がいいです。
それに、「教科書には書かれていないけど、実はここがポイント!」みたいな話をしてくれることもありますしね。
(ただし、講師によっては、教え方が自分に合わないと感じるかもしれません。実際わたしも残念ながらまれにそういう講師に当たることがあって、その場合は講座をスキップしたり、過去問演習を勝手にすすめていました(苦笑)
講師に参考書の内容を教えてもらうことで、参考書の理解も深まりますし、印象にも残ります。
その結果「この演習問題とけなかったけど、この問題に関することは、この間ならったなぁ…。そういえば参考書だとこのあたりかな…?」と探しやすくなります。
②演習問題や過去問の問題が、参考書のどの部分から出題されているか調べる。
参考書には必ず、章末問題や、演習問題がついていますよね?
それに先ほど述べたようなセミナーに参加すると、必ずと言っていいほど、オリジナルの問題が配布されると思います。
この様な問題は、参考書の内容を暗記するうえで、大きな手助けになります。
なぜならそういう問題は、出題者の意図が込められているからです。
「この問題は過去問で頻出だから覚えて欲しいなー」とか
「この問題は今ままで出たことないけど、だからこそ、今年の国家試験では狙われそうだなー」
なんて問題を演習に取りいれてくれることが多いです。
特に、「今までの国試では出てないけど、今後出そう..!」という問題って、重要です!
これこそ、過去問を解いるだけでは、取りこぼしてしまう可能性のある問題だからです!
せっかく、出題者が、親切に教えてくれているのですから、それを覚えないてはないですよね。
③参考書の内容を覚えるときは「まとめの表で覚える」ことを意識!
参考書の内容を覚えるときは、たくさんの記述をバラバラに覚えるより、表でまとめて複数の知識を覚えた方がいいです。
例があるとわかりやすいと思うので、ひとつ、物理の例題をだしますね。
例題)
放射能の単位を以下の3つのうちから、1つ選べ。
①Bq(ベクレル) ②Gy(グレイ) ③Sv(シーベルト)
正解)①Bq(ベクレル)
この問題から、放射能の単位=Bq(ベクレル)ということが学べました。
しかしこれだけで満足してしまっては、勉強の達成率としては20%というところでしょう。
だって見てください。
選択肢の中には、②Gy(グレイ) ③Sv(シーベルト)なんてものもありますよ。
基本的に、演習問題や過去問の選択肢には、架空のものが使われることはありません。
つまり、②Gy(グレイ) ③Sv(シーベルト)も、実際に何かの単位であるということです。
で、調べてみると、、
②Gy(グレイ)・・・吸収線量の単位
③Sv(シーベルト)・・・等価線量あるいは実効線量の単位
であることがわかりました。
(小難しい用語が並んでいますが、今回はあまり気にせず、軽く聞き流してくださいね。)
普段の勉強でここまで調べているあなた!素晴らしい!あなたの勉強達成度は70%くらいです!
ここまでこれたので、100%目指してあとひと押し頑張りましょう!
参考書を見ていただければ、わかるのですが、実はこの問題、こんな表から出題されているんです。
青字:例題の正解の記述(約20%の達成度)
→ここを覚えただけだと、表全体の、ほんの一部しか、覚えられていないのがわかりますよね?
緑字:例題の不正解の記述(約70%の達成度)
→さらにここも覚えると、表の半分以上覚えたことに…!
ここで忘れてはいけないのが、今青や緑で色をつけた”以外”の箇所です。
赤で色をつけて区別してみましょう。
今回の例題では、たまたま、赤字に関することは聞かれていません。
でも、先ほどの例題の文字を少し変えるだけで、赤字も立派に問題として成立すると思いませんか?
例題)照射線量の単位を以下の3つのうちから、1つ選べ。
①C/Kg(クーロン毎キログラム) ②Gy(グレイ) ③Sv(シーベルト)
正解)①C/Kg(クーロン毎キログラム)
一つの表からたくさんの問題が出せることががわかっていただけたでしょうか?
実際の国家試験で取りこぼす問題をできるだけ減らすために、ぜひこんな感じで、赤字のような箇所も覚えるようにしましょうね!
参考書に掲載されているまとめの表を覚えるときの3つの注意点
参考書に載っている表を覚えるにあたって、いくつかポイントがあるので、ご紹介しますね。
①どの表から覚えたらいいのか?
参考書には、たくさんのまとめの表が載っており、正直どれから覚えていいか迷ってしまいます。
優先して覚えて欲しいのは、ズバリ演習問題や過去問題で、何回も出題されている表です。
演習問題や過去問で何回も出題されている表は、当然狙い目です。
でも、表そのものが出題されることはあまりないかもしれません。
しかし演習問題や過去問を、よくよくみてみると、同じ表の、別の箇所から出題されている、なーんて場合もあるのです。
そのような、隠された表をどんどん見つけていきましょう!
②参考書の表が1番覚えやすいとは、限らない!
私の経験則なのですが、必ずしも参考書に乗っている表が、1番いいとは限りません。
大学の配布資料に載っている表の方が、よっぽどポイントがまとまっていて見やすかったりする場合も結構ありました。
あるいは、逆に、参考書と大学の配布資料どっちもイマイチだなーと感じることもありました。
そういう場合は、自分で必要な情報を書き足したり、表の構成を変えたりして、オリジナルの表を作ったりしていました。
③表は写真を撮って、ケータイに保存!
これ重要!絶対覚えるぞ!と決めた表は、何度も見返せるように、写真を撮ってケータイにストックしておきましょう!
後から検索できるように、タイトルやキーワードとともにメモ帳アプリなどに貼ってもいいでしょう。
まとめ
- 過去問”だけ”勉強しても、国試合格は難しい
- 国試は、よくも悪くも、「過去に出題された問題」
- 参考書から出題される問題数は1ページあたり約0.06問
- 参考書の内容をより多く覚えることが、合格への近道!
- 参考書を覚えるためには、①セミナー参加②演習問題③まとめの表を意識!
- まとめの表を覚えるには、①優先順位②より良い表を選ぶ③何度も見返すことを意識!