コロナ感染拡大防止のため、オンライン受診で薬をもらったり、薬の処方日数を長くしたりして受診の回数を減らすことが増えています。
では一体、最大でどれくらいの日数まで薬をもらうことができるのでしょうか?
現役薬剤師が分かりやすく解説しました。
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目次
風邪薬のような臨時薬は数日~1週間分
風邪薬のような臨時の薬はだいたい数日~1週間くらいです。
コロナが流行している今、受診して風邪薬をもらうことには抵抗があるかもしれません。
そんなとき選択肢の一つに市販薬があります。
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ただ、市販薬を使っているかといって慢心してはいけません。
普段出ないような高熱がでる、熱がずっと下がらない、市販薬が全然効かないなど、ここに書いていないことでも少しでもおかしいと感じたら自己判断はせず、医師や保健所に相談してください。
生活習慣病で使うような定期薬は1-3カ月分
生活習慣病で使うような継続してずっと飲み続ける必要のある薬は、だいたい1~3ヶ月分の薬を一度に出す先生が多いです。
ただこのあたりは病院の規模によってかわります。
- 街中のクリニックでは長くて60日分
- 大きな総合病院では長くて90日分
と、総合病院の方が長めに薬を出す傾向があります。
総合病院の方が街のクリニックと比べて受診の負担が大きいため、安定している患者さんには長めに薬をだしているからです。
実は、法律上一部の薬をのぞいて処方日数の上限は決まっていないので、医師さえ判断すればもっと長めに薬を出すことも可能です。
ですから先生が出そうと思えば、半年や1年分の薬をまとめて出すこともできます。
ただそのように薬を出す先生はほとんどいません。
薬の受診の間隔があけば、それだけ体調変化や薬の副作用を見逃してしまうリスクが高くなるからです。
しかし症状が安定していて、しばらく薬の内容が変わっていないという場合は先生と相談してみてください。
コロナの拡大防止のため、前向きに検討してくださる先生が多いです。
日数の制限がある薬
ちなみに一部の薬は日数の制限があります。
睡眠薬や医療用麻薬等といったしっかりと管理の必要がある薬です。
日数の上限の長さは薬によって違いますが、30日や90日のものが多いです。
また、発売からまだ1年経っていない新薬も制限がかけられています。
1回の処方で最大で14日分しかもらうことができません。
発売されたばかりの薬は、まだ分かっていない潜在的な副作用がある可能性があります。
それを早期に発見できるように厳しい日数制限がついているのです。
薬を長めにもらうメリット
それでは、薬を長めにもらうことのメリットを考えてみましょう。
受診回数を減らすことでコロナ感染拡大防止
受診の回数が減るということは外出の回数や時間も減るのでコロナの感染拡大防止につながります。
それにそもそも病院や薬局は感染症のリスクが健康な人よりも上がる、基礎疾患をもつ人が集まります。
それも狭い待合室で比較的長い時間待つことになりますからリスクは低いとはいえません。
受診のメリットとリスクを比べて適切な日数で薬をもらいたいですね。
医療費の節約
薬を長くもらうとその分、医療費が節約できます。
あなたは薬局で薬をもらってお金を払うとき、薬の代金だけを支払っていると思っていないでしょうか?
実は薬局で支払う代金には、薬の値段とは別に、受付料やその他手数料が含まれています。
受付料や手数料は毎回薬局に行くたびに払っています。
ちなみにクリニックや病院に受診するときにも毎回手数料や受付料がかかっています。
つまり長めに薬をもらって、クリニックや病院、薬局に行く回数を減らせば、受付料やその他手数料を払う回数も減ります。
その結果医療費を節約できるのです。
薬を長めにもらうデメリット
今度は薬を長めにもらうデメリットを考えてみましょう。
症状の変化や薬の副作用を見逃しやすい
受診の回数が減ることで、症状の変化や薬の副作用を見逃してしまうリスクがあります。
普段以上にご自身で体調の変化や、健康管理に気をつけなければなりません。
また、体調変化に気づいても適切な受診をためらってしまう場合もあります。
体調の変化や不調に気づいたときはためらわずにかかりつけのクリニックや薬局に相談してください。
医療費が無駄に
先ほど薬を長めにもらうメリットとして、「医療費が節約できる」とお伝えました。
でも逆に、薬を長めにもらうことで「医療費が無駄になる」場合もあります。
例えば、薬を3ヶ月分もらっていたものの、1ヶ月後に症状が変わって、薬が中止になった場合です。
この場合2ヶ月分いらない薬が手元にあることになります。
このような場合、基本的に薬局にいらなくなった薬を返却することはできません。
使っていた薬が高価であればあるほど、余計な出費になってしまう可能性があります。
以上ポイントを解説していきました。
主治医の先生とよく相談して、適切な間隔で受診して下さいね。