「勉強するのが怖い。」
「怖くて勉強が手につかない」
私自身も学生時代この様な経験をしました。
また、予備校の講師として学生に教える立場となったとき、
「勉強が怖い」
と感じている学生さんのこともたくさんみてきました。
勉強をやらなければいけないと頭では分かっているのに、勉強が怖くて手がつけられず、ゲームや漫画、ケータイに逃げてしまう。
↓
勉強から逃げたせいで余計、勉強が分からなくて怖くなり、ますます勉強から遠ざかる
という悪循環に陥っていました。
でも
「このままではいけない!!」
と当時の私も、私が教えていた学生さんも、この記事を読んでくれているあなたも思っているはずです。
この記事では、
- 「勉強が怖い」と感じることで起る弊害
- 「勉強が怖い」と感じる7つの原因
- 「勉強が怖い」を克服する7つの方法
をまとめました。
一緒に「勉強が怖い!」の負のスパイラルから抜け出しましょう。
勉強が怖い!がもたらす弊害
「勉強が怖い!」と思うということは、「なんとか解決しなきゃ!」というプラスの気持ちの裏返しでもあります。
(そもそも勉強なんてどうでもいいと思っていれば、「勉強が怖い!」なんてそもそも感じませんから)
ですから、ある程度恐怖心があることは決して悪いことではないのです。
しかし、あまりにも恐怖心が強いと、様々な弊害が生まれます。
本来の能力が発揮できない
「どうせ、自分は数学ができない」
という思いを抱え込んでいると、解ける問題も解けなくなってしまいます。
しかもこんな風に考えていて実際問題が解けなかったら、
「ほらやっぱり問題解けないんだ。やっぱり自分は数学が苦手なんだ」
と悪い意味で自分を正当化してしまいます。
人間は思い込みの生き物。
解けないと思い込むと、できるものもできなくなってしまいます。
身体的な拒否反応が起る
私自身経験があるのですが、やだなと思っている教科の時間は猛烈に眠たくなります(苦笑
おそらく脳が、ストレスになると判断した情報から自分を守るために意識をシャットダウンしてしまうのでしょう。
その他、頭痛がしたり、全然関係ないことを考えたり、部屋の掃除を始めたくなったり…と、勉強が怖いというストレスから逃げるためにさまざまな逃避行動を起こしてしまうのです。
自分がだめな人間だと思い込む
人間が自分に自信をもつためには、達成感が重要です。
勉強が怖い!と逃げたままではこの達成感を得ることができません。
逆に、
「また勉強から逃げてしまった。私はなんてダメなんだろう」
と自分を否定して自分がだめな人間なんだと思い込んでしまいます。
なぜ勉強が怖いのか?7つの理由
完璧主義
いやいや、全然私は完璧主義なんかじゃないけど?とあなたは思うかもしれません。
でも、知らず知らずのうちに完璧主義になっていることがあるんです。
勉強が怖い理由の1つに
「分からないところに直面するのがいや」
というのが挙げられます。
実はここに「全部完璧に理解できないとだめ!いや!」という完璧主義が潜んでいます。
これはあなた自身が負けん気が強いからか、頑張り屋さんなのかもしれませんし、ご両親や先生からのプレッシャーから来るものかもしれません。
この完璧主義、適度に働けば勉強へのモチベーションになります。
しかしあまりに現実と理想のギャップが大きすぎると、この一生懸命な気持ちが逆に勉強への恐怖となって、あなたを勉強から遠ざけてしまうのです。
相手と比較する
相手と比べることは、勉強の本質かもしれません。
テストで何点をとったかによって、順位が決定されてしまうのですから。
ですが、勉強をするとき常に他の誰かと自分を比較してしまうと勉強へのモチベーションが下がりかねません。
「いくら勉強したって、どうせ自分より上がいるんだ。なら頑張ったって意味ないや」
という風に感じて、勉強することがむなしく感じてしまうからです。
親・先生から怒られる・失望される
勉強でできないところや分からないところがあるとあなたのご両親や先生はどんな反応をしますか?
「次頑張ればいいよ」
と励ましてくれる場合もあれば
「何でこんなこともできないんだ!」
と怒られる場合もあるかもしれません。
それかあきらめた様な顔で、ため息をつくだけかもしれません。
学生の頃は、親や先生からの評価が大きな意味を持ちますから、勉強ができなくて怒られたり、失望されたりすると、ますます勉強が嫌になってしまいます。
いい先生に出会えていない
苦手な先生が教えている教科は、苦手になったという経験あなたにもありませんか?
先生がどんな人であるかということは、勉強を好きになるか否かという面でもとても重要な問題です。
私が高校生の頃の数学教師で口癖のように、
「ま、これくらいわからないとダメだけどね」
と鼻でわらう教師がいました(笑
苦手な数学がますます嫌いに…。(苦笑
先生のなかにも当然教え方の上手い人・そうでない人や、自分にあう人・あわない人がいます。
まだ相性のいい先生に出会えていないことが、勉強を怖いと感じる原因かもしれません。
努力が無駄になるのが怖い
せっかく時間と労力をかけて一生懸命勉強したのに、結果が出なければショックですよね。
今までの努力も無駄になってしまいます。
そうならないように、
「やればできるけど、まだ本気をだしていないだけ」
と無意識に自分に言い訳をして、勉強に手をつけられないでいるのかもしれません。
後悔…あの時もっと勉強しておけば
「勉強が怖い。でも、やっぱり勉強しよう!」と思って勉強を始めると、出会うのがこの後悔。
勉強をして、分からないところが見えてくるたびに、
「あの時もっと勉強しておけば良かった」
という焦りと後悔の気持ちがわき上がってきます。
そうすると目の前の勉強に集中できなくなります。
勉強が得意ではない
これを書くと、もとも子もないという感じではありますが、多くの人が根本的にここで悩んでいるのではないかと思い、書くことにしました。
現実問題として、勉強が得意な人と、そうでない人はいます。
得意でないことをしなければいけないのはとてもストレスがたまります。
しかし、将来のことを考えると、得意でないから勉強はしなくていいという選択肢はなかなか選べないのが現状ではないでしょうか。
得意でなくても勉強しなくてはいけないというのが勉強に対する恐怖・ストレスなのでしょう。
※ただし勉強の得意・不得意というのは、周囲のサポートや本人の頑張りによって変化しうるものだと思います。
どうせ勉強が苦手だからと決めつけてしまう前に、次にお話しする「勉強が怖い!を克服する7つの方法」を試していただければと思います。
勉強が怖い!を克服する7つの方法
勉強が怖いと感じる7つの原因、いかがでしたか?
次はいよいよ「勉強が怖い!」を克服する方法7つをお伝えします。
脱・完璧主義
教えられたことを「完璧にしないと!」という一生懸命な気持ちが逆に、勉強への恐怖となって、あなたを勉強から遠ざけてしまうことをお話ししました。
ですから、「勉強が分からなくて嫌だ!怖い」と感じたときに、「もしかしたら私・僕、完璧に理解しようとしてる?」と自問してください。
そうすると、いらだっている自分を客観的に見つめることができ、落ち着くことができるはずです。
誰だって最初から完璧に理解できるわけではありません。落ち着いて今後の対策を考えましょう。
相手と比較しない
クラスや学年、模試の結果を見ていると自分より上の人はたくさんいます。
比べると、きりがありません。
ですから人との比較はやめて、過去の自分と比べるようにしましょう。
「昨日まではこの問題が解けなかったけど、今日は解けるようになった。」
「最近単語帳を見る習慣がついた」
「前の模試のときに比べて判定が1つ上がった」
などなど。
今は、まわりの友達と比べて落ち込んでしまうこともあるでしょうが、それは一時的なこと。
今まで比べていた同級生達とも学校を卒業してしまえば、会うことはなくなります。
そんな一時的なつながりの人たちと自分を比べるよりも、過去の自分に比べて今の自分がどう変わったかを比べる方が建設的です。
それを積み重ねた結果、過去の自分よりも、進学先の選択肢が増えたら素晴らしいと思います。
親・先生からの評価を気にしない
学生にとって、親や先生からの評価はとても気になるものです。
勉強ができなくて怒られたり、失望されたりすると悲しい気持ちになるでしょう。
でも、まわりの大人たちの評価を気にしすぎると勉強が嫌になってしまいます。
あまり気にしないようにしましょう。
ただ、それは難しいことだと思います。その場合、次のアドバイスを参考にしてみてください。
いい先生を探そう
先生の中にも、教え方の上手い人・そうでない人、自分にあう人あわない人がいます。
今の担任の先生や、教科担当の先生が自分にあわないと思ったら、学年が違う別の先生に質問してみましょう。
あるいは塾の体験授業を受けるなどして、自分にとってのいい先生を積極的に探してみてください。
頑張りを褒めて、モチベーションをあげてくれるような先生に出会えれば、他の大人からあまりいい評価を受けなくても気にならなくなるはずです。
無駄になりにくい努力をしよう
せっかく時間をかけて一生懸命勉強しても、成果が出なかったら辛いですよね。
しかしそういうときこそ冷静にならないといけません。
もしかしたら努力の方向性が間違っているのかもしれませんよ。
私が塾講師として勉強をみていたとき、分からない問題を1~2時間もかけて1人で考え込む子がいました。
これでは、かけた時間に見合う成果が得られません。
限られた時間の中で成果が出やすくなるように、
- タイマーなどで時間制限をつけて勉強する
- 分からなかった問題は、ひとまず飛ばし、付箋をつけて先生に後で聞くようにする
などの工夫をしてみましょう。
それすら問題が難しくて解けないときは、
- より易しい・分かりやすい問題集に変える
- すぐ質問できるように家族と一緒に勉強する
という対策もできます。
ただし、だからといって、ただ単に答えを教えてもらってばかりでは実力がつきません。
解説を聞いて、どうして自分はこの問題が解けなかったのか考えるようにしましょう。
もしかしたら、
- 覚えるべき公式・単語を覚えていなかった
- 問題のパターンを覚えていなかった
- 練習量が足りていない
からかもしれません。
そうして、見つけた課題を克服するように行動していきましょう。
勉強は減点法ではなく加点法で
特にテスト直前、「あのときもっと勉強しておけば良かった」という後悔をしがちです。
しかし後悔は先に立たずというか、まったく役に立ちません。
そんな暇があれば単語の一つでも覚えたほうがよっぽど役に立ちます。
勉強しなかったことを後悔するのは、いわば減点法の考え方です。
本来はもっと勉強できた時間があったのに、ゲームや友達とおしゃべりしていたからどんどんマイナスになってしまったという考え方です。
でもこんな考え方でいると、苦しくなってこないでしょうか?
そうではなく加点法で考えてみましょう。
例えば
- 今日は30分勉強したからプラス30分勉強した
- 単語帳を5分間見られたからプラス5分勉強した
勉強した時間が長くなかったとしても、「勉強が怖い」といって逃げていたらいつまでも勉強時間は0時間のまま。それを考えれば5分でも10分でも勉強ができたのですから大きな進歩です。
こう考えると、前向きに勉強ができる気がしてきませんか?
やっぱり勉強が苦手だとおもったら
以上「勉強が怖い!」を克服する方法をみてきましたが、いかがでしたか?
すこし怖いと思う気持ちが和らいだでしょうか?
でも、いろいろ試したけどやっぱり勉強が苦手と思うことがあるかもしれません。
実際そうなのかもしれませんし、まだいい先生やきっかけに巡り会えていないだけかもしれません。
そんなときは、繰り返しにはなってしまいますが、
- 完璧を求めない
- 自分と他人を比較しない
- 減点法ではなくて加点法で
ということを再度、意識してみてください。
苦手だと思っている勉強も、自分なりに取り組んでみて、昔の自分に比べて進歩したという気持ちを大事にしてくださいね。